淋しいお月様

夜は夜で淋しいけれど、朝起きて誰もいないというのも淋しい。

とにかく、独りで家にいるってのも、淋しい。

私はさっとシャワーを浴びて、着替えて、早々に仕事場へと向かった。

職場と家だけの往復。

友だちもいないし、家族とは絶縁状態だし、彼氏とは音信不通――。

私の人生、何て淋しいの?

この数ヶ月間、何度淋しいと思ったことか。

低賃金だけれども、仕事が忙しいのがせめてもの救いだった。

その間は、自分が置かれた環境を忘れ去ることができるのだから。

いつもの通り、インカムをつけてお客からのコールを待つ。