淋しいお月様

こうして、ユアさんと話すのも久しぶりだった。

「ごめんね」

椅子に座るなり、ユアさんはそう呟いた。

「なにが?」

「いや、星羅ちゃんがタクミの彼女だって知って、怒っちゃって」

「大丈夫だよ」

正直、ショックは受けたけれど。

だけどもう、それは過去のことだ。

一秒前は、もう、過去なのだ。

セイゴさんと一緒にいたことも、もう過去のものだ。

戻らない。

「星羅ちゃんが、タクミとの関係を隠してて、一緒にライブに行ったことも、星羅ちゃんの前で
タクミのことではしゃいでたことも……」

ユアさんは語尾を濁す。

「うん、なあに?」

私は続きを促した。

「内心では、私のことを笑ってたのかと思って。それで、怒っちゃったの」

「笑ってなんかないよ。それに私、ユアさんがライブに連れて行ってくれたことで、セイゴ……タクミが、ミュージシャンだってこと、知ったんだもん」

彼女は目を丸くする。

「え、そうなの?」

「うん」

「そもそも、タクミとはどこで出会ったの?」