淋しいお月様

「あ……ごめん。私、調子悪くて」

ウソだった。

キスも出来ない状態で、静哉と身体を交わすことなんて、想像できなくなっていた。

「そ……か。せっかく盛り上がると思ったのにな~」

静哉はいかにも残念そうに言う。

「ごめん……」

「じゃあ、明日は元気になれよな」

この強引な物言いも、静哉らしい。

懐かしいな。

私、こういう高飛車な静哉に魅力を感じていたんだけどな。

私たち、本当に恋人同士に戻ったのだろうか。

本音は、もう、こころは離れてしまったものだと思っていた。

淋しさにしがみつくように、静哉にしがみついていた。

静哉の、影に……。

「俺、もう寝るわ」

そう言って、静哉はベッドルームに行ってしまった。

私はどうしたらいいものか迷った挙句、

「私、帰るね」

と、去ることにした。

「あ、そ」

そっけない静哉。

ほんとは、引き止めて欲しかったよ。