淋しいお月様

私は、向かい合って座っていた、静哉の隣にクッションごと移動した。

そして、彼の肩に、あたまを乗せた。

「淋しかったよ、私。静哉と連絡とれなくて、ずっと淋しかった」

「悪い悪い」

そう言って、静哉は私のあたまを撫でてくれる。

「色々忙しくてさ」

「仕事が?」

「うん」

「私に愚痴ってくれてもよかったのに。いつでも私は、静哉の味方だよ」

「ありがとう」

そして、静哉は私の頬に手を当て、目を瞑った――。

え――。

カツン、カラカラカラ――。

「あ、ビール缶、零しちゃった」

「……ん? あ~あ。今拭くもの持ってくるわ」

そう言って、静哉は私から離れた。

びっくりした。

今、自分の、気持ちに。

嫌だと思った。

嫌悪感を覚えた。

静哉とキスすることに――。