ぷはーっと息を噴き出して、私は空を仰いだ。

こんなにも散り散りと星は輝いていて、その星の下、数多の人間がいるわけで。

それなのに、私はどうしてひとりなのだろう。

友だちに、電話してみようかな。

でもきっと、この時間に出てくれるひとはいないかも。

夜の9時半。微妙なところだ。

酔うと、誰かに電話したくなる。

そうだ――この間、街で配っていたティッシュの広告。

確か、レディースガーデンと書かれた、ピンク色の広告に、”電話で繋がろ”なんて名目があった。

私は、アニエスベーの鞄から、そのティッシュを取り出す。

”えっちな気分トーク””ノーマルトーク”

ふたつの電話番号が載っていた。

下二桁が違う番号だ。