淋しいお月様

サトミが、結婚……。

お相手は、誰?

私はメールを打ち返した。

『おめでと~。旦那様はどんなひと?』

27歳というお年頃。結婚するんだな

なんだか取り残された気分……。

『30歳の商社マンだよ。お見合いしました』

早速サトミからの返事がきた。

よっぽど結婚報告が嬉しいと見える。

ラブラブオーラを放っているスマホを私はアニエスベーの鞄にしまった。

結婚……かあ。

私もいつか、結婚するのかな?

――でも、誰と?

“私は静哉を信じて、連絡がくるのを待つわ”なんて青臭いこと云ってられないのは解ってる。

静哉はもう、私のことなんか切り捨てたんだ。