淋しいお月様

「さ・て・と。やるか~」

私は腕まくりをして、キッチンに立っていた。

食材は、遅くまでやっているスーパーで調達してきた。

料理本をぺらぺらとめくり、ロールキャベツのページを開いた。

なになに、まずはキャベツの葉を茹でる――。

私はまな板の上でキャベツの葉を千切った。

堅い芯に繋がっている葉は、途中で切れてびりびりになってしまった。

本のイラストには、ちゃんと大きな葉が使われている。

こんなんじゃ、ロールキャベツには使えない。

私はもう一度、違う葉を引っこ抜こうとした。

びりっ。

やっぱり途中で千切れてしまった。

芯が堅いのがいけないんだな。そうだ、根の部分に包丁で切り込みを入れれば――。

すっ。

よし、うまく葉がとれた。

本に書いてあるだけじゃない、こうした裏ワザも使わなきゃいけないのね。

料理は経験だな、なんて私は思った。