月 —Moon—





「予想外でしたね、亞空鴉のやつらと出くわすなんて。」



徹也も少し焦ったみたいだった。


もし徹也の運転でここまできていたら、色々面倒なことになってそう。



「そうね。」



それと本当、ウィッグ、被っててよかった。



もし普段ウィッグを被らずに学校に行ってたら、今頃絶対ばれてて、大変なことになってたと思う。




「まぁ、ばれてないと思いますよ。」




「ばれてたら皐月に殺される。」



「いや、殺しはしませんよ。」




「怒鳴りつけられるかな。」



「いや、それもないですね。」




「じゃあ何だっていうのさ。」



お互いずっとスマホの画面を見ながら会話していた。