それからしばらくして。


ようやくウトウトして来た…と言う所で何か物音が聞こえてくる事に気が付いた。


誰か起きたのかな?とも思ったが、どうやら物音は天井からするよう。


ミシ…ミシ…


屋根の上を歩いているかの様な音。

こんな時間に屋根の上を歩くなんて…まさか泥棒!?

どうしよう…。

私はしばらく考えた後屋根を見に行く事を決意した。


最近は暖かくなって来たものの、やっぱり夜は肌寒いので、近くにあったカーディガンを羽織る。


それから玄関を出て、家の裏側に回ると…梯子がたて掛けられていた。


2階建ての家の屋根までのびる梯子。


もし泥棒だったとしても、こんなすぐバレるような事するかな?


そう思ったけど、泥棒だったら退治しなくてはいけないので、私はその梯子を登り始めた―。


「うわぁ…綺麗…」


屋根に上がって見えたのは、此処ら辺の町の明かり全て。


泥棒がいるかもしれない…そんな思いも忘れてしまうような綺麗な夜景だった。


「かんな…?」


私が見惚れていると、よく聞き慣れた声がした。