「ハァァァァ…」



またまた学校で昼休みに大きな溜息をついてる私。



「はい。溜息13回目。」



そんな私の前で溜息の回数を数えて、ケラケラ笑ってるのはもちろん華恋。


私は華恋があまりにも笑ってくるもんだから、軽く睨んでやった。



「でもさぁ、何でそんなに溜息ついてるんだよー。もう慣れて来ただろ?」



うわー。無視だよ、無視。

ナチュラルに私の眼付け無視されたよ。



「…うん。まぁ、そーなんだけどね…」



「?」



言葉を濁して、ハッキリ言わない私に、華恋は可愛く首を傾げていた。


シェアハウス生活には慣れて来たよ。慣れて来たんだけど!



一緒に生活していたら分かってくる事も沢山ある。

それは嬉しい事なんだけど…分かれば分かる程、自分が皆に受け入れられていないのがよく分かる。


ちょっとでも「何してんの?」と聞こうものなら、「チッ」と舌打ちされたり、「干渉すんな。」なんて言われてしまう。(主に朝陽が。)


しかも、今日から1週間続けて当番だなんて…!


溜息もつきたくなるわ!



「ま、何があったかは知らねぇけど、元気出しな!」



……華恋サン。可愛いッス。


少し、玲央くん風にそう言ったら…叩かれました。

血が噴き出るかと思いました…。




「ただいまー。」



あれから、きちんと授業を受けて家に帰って来た。


帰って来たけど…玄関に皆の靴がないから、帰って来たのは私だけの様だ。


新蘭学園に部活はあるんだけど、やるかやらないかは個人の自由なので私は何処の部にも入ってない。


リビングでテレビでも見よーっと。


ガチャッ。


夕方、私が1人でチョコレートをつまみながらテレビを見ていると玄関のドアが開く音がした。


誰か帰って来たな…。蒼空くんかな?


そう思いながらリビングから顔を出すと、そこには蒼空くんと…蒼空くんに抱えられているぐったりとした玲央くんがいた。