【楪side】





ただただ、
目を閉じていた。




開けようと思っても開かなくて、


"あぁ、私死んだのかな"

って、漠然とそう思った。



ただもう、これでやっと解放されると、
悲しみから逃れられると、
ひとり歓喜に包まれていた。


誰かを守って死ねるなら、
それ以上の幸せはない。




…ねぇ、
あなたは私のこと見てる?


あなたと同じように
誰かを守れたんだよ?


こんな幸せってある?













…でもこの世界は暗闇で、

先も後も分からなくて。





ここは確実に天国ではないのだと、

やはりそうだという思いと、

見て見たかったという思いがあった。



こんなことして自分勝手だということは
わかっているけれど、

誰かを守れたらまた、
あなたに会えると思っていたの。