それでも僕は君を離さない

いきなり愛と言われて俺は動揺した。

「人を愛するのは自由だ。」

「うん。」

「誰かを愛することは真剣でなければならない。軽々しく口にできる言葉ではないと思う。」

「うん。」

「もし奈々が真剣に想うのなら伝えてもいいし、聞いた相手もそれに対して真剣に返答してくる。」

彼女の顔色が変わった。

俺の言い方がまずかったのだろうか。

「相手が何も答えなかったら?」

「想いが通じなかった。」

「そう。」

「どうした?」

「何でもない。」

「今言ったばかりだろ。俺たちに秘密はない。」

「彼に言われた時、正確にはメールだけど、返信しなかったからフェアでなかった。」

「坂下に告られたのか?」

「メールで。」

「有り得ない。俺なら直接伝える。」

「忍さん、声が変よ。いつもと違うみたい。」

「喉が少しイガらっぽいだけだ。」

俺としたことが気持ちの揺らぎが声にも影響するとは

自分の弱さに沈んだ。