SakuIGamE

俺が旅立つって事は、みんなとお別れって意味や。
だから俺にはもう一人、話しておかなアカン人がおる。

俺はその姿を探す――

その人は隻眼のワームワームに深く頭を下げとった。
「昨日はごめんなさい・・・。痛かったよね・・・」
そっと頬に触れると、ワームが大きな舌で彼女を舐めた。
キッドワームが脚にすり寄っている。

微笑ましい光景だと思った。
さすが俺の――・・・惚れた女や。

俺に気付いた彼女――リッタが駆け寄ってきた。

「アユム・・・、とってもカッコ良かったよ」
「あ、あ、あ、ありがとお」
や、ヤバい！心臓バクバクゆっとる！！
リッタが頬を赤らめてそんな事ゆうもんやから、こっちまで意識してまうやん！！
「旅に、出るの？」
「あー・・・、うん・・・」

リッタにも話した。
俺がこの世界の住人ではなく、帰らなければならない事――。

聞き終えたリッタはしばらく黙ってしまった。
・・・・・・あれ？
もしかして信じられへんかった系？