SakuIGamE

そんな流れで、宴が開催された。
カリム盗賊団とジャリル一味だけじゃない、ワーム達も一緒や。
短い間やったし、めっちゃ大変やったけど、楽しかった。
それに――

「ダディ、ちょっと話があるんやけど・・・えぇか?」
俺はダディを宴の輪から呼び出した。
二人きりになりたかった。

「今からゆう事は信じてもらえへんかもしれへんけど・・・俺、この世界の住人とちゃうんや」
俺は自分が別の世界からここに来た事を話した。
タッピィもその仲間で、他の仲間と共に元の世界に帰らなければならない事も。
――けど、ここがゲームの中やとは言えんかったけど・・・。

全てを聞き終えたダディは、
「そうか」
と短く頷いた後、

「それでもお前は儂の息子だ」
しっかりと俺の目を見て、そう言った。

「ダディ・・・、俺も・・・!俺もホンマの親父みたいに・・・大好きや・・・!!」

俺とダディは互いを抱き締め合った。
これが初めてのハグ――もしかしたら、最初で最後かもしれへんふれあいやった。

無事向こうに帰れても忘れへん、絶対に――。
もう一人の親父の事を――。