SakuIGamE

ズッ。

嫌な音を立てて、体内に冷たい刃の感触――
熱い――熱い血が俺の中から溢れていくのがわかる。

「ア・・・ユム・・・!?」
呆然となったリッタの口から、俺の名が零れた。
「何で・・・!?」
「リッタの気が治まらんのやったら、こうするしかないって思ったんや・・・。こいつらはもう傷付けたらアカンから・・・」

言いながら、意識が朦朧とする・・・。
血が足りんのやろか・・・?
目が・・・霞む・・・。

薄れてゆく意識の中で、モンスターが遠退いていく音が聞こえた。

許してくれたんやろか・・・?
あぁ、そうか。
はよ子供の手当てしたらなアカンもんな・・・。きっとそうや・・・。

「アユム!アユム!!」
すぐ傍におるハズのリッタの声も、だんだんと聞こえんようになっていった・・・。