SakuIGamE

チャラリラリラリラリ~ン♪

「なんやこの音楽はぁ!?どっから流れてんねん!?」
「ちょっと、それよりモンスターに集中なさいよ!!」
ツッコミにツッコまれて、俺がボケたみたいになってもうた!!

ちなみにモンスターは、芋虫に触角が2本生えたみたいな緑色の生物やった。
大きさは大型犬――ゴールデン・レトリバーくらいか?
口がデカ過ぎるのがちょっと怖い。

しかも空中に字が浮かんどんやけど・・・。

【キッドワーム
HP:23】

「ワームワームの子供よ。この程度なら倒せるでしょ?」
「確かに動きは鈍そうやし、イケるかもしれへんけど、武器なんか持ってへんし・・・」
「使いな!」

ヒュッ!

風を切る音と共に、リッタの懐からナイフが飛び出してきた!

「おわ!!」
俺は全力でそれを避ける!!

ざくっ。

ナイフは地面に突き刺さる。
はあ、とリッタの大きな溜め息が聞こえた。

それを引っこ抜いて構えてみたが、モンスターは襲いかかってくるでもなく、ゆったりと目の前を通過しようとしとる。

「何してんの!?行っちゃうじゃない!」
「このまま通り過ぎればえぇ。俺は何も悪い事してへん生き物は殺せへん」
俺はリッタに向き直ってハッキリと告げた。

ダディのゆうたことなんか、どうだってえぇやん。
これから先、俺は自分の意思で生きていきたい。
それがゲームクリアに不利になったとしても、や。
ゲームやからって自分の意思に反する事なんかしたぁない。