SakuIGamE

口では勝てへん。
何回も帰ろうだの無益な殺生はしとぉないだのトイレに行きたいだの断る努力はしたんやけど、その度リッタは「そんなんでお頭、そしてあたしの夫が務まると思うの?」と反撃してきた。

――ピタ。

先行していたリッタが急に歩みを止めた。

「どーしたん?」
「シッ。聞こえるでしょ?モンスターの近付いてくる音」
ひっ!マジで!?
俺は耳を澄ましてみた。

ずりゅ、ずりゅ・・・。

た、確かに聞こえる!
重いものを引き摺るような音が。

三股に分かれた道の一つから、そいつは姿を現した!!