「何だ、ココ・・・!?」
電脳空間とでも言うのか、そこは無数の光が混在する場所だった。
室内なのか外なのか――どちらとも言い難く、あえて例えるならまだ宇宙が相応しいか。
果ての見えないサイバースペース。
自分の体が宙に浮いている錯覚を起こしそうだ。

「キレイ・・・」
うっとりと呟いた実果。
呑気というか、案外肝が据わっていて頼もしいのかもしれない。

――ヴン。
SakuIが手を翳した先――何もない宙に突然ドアが出現した。
いや、ドアと言っても光のドア。物質的なものではない。
「どうぞ」
促され、俺達はそこに足を踏み入れた――