~~~【秀馬】~~~
「シドル部隊長、ジークイルが狙っていたのは、一体どういう人物なのですか?」
僕は勤務先のデスクで、上司に尋ねた。
彼は社会人らしからぬ態度――組んだ脚を机上に投げ出した状態で、こう返す。
「政治家ワイール・オッサー。裏で奴隷売買を生業にしているという噂がある」
奴隷売買は非合法――そもそも奴隷制度自体が廃止されて200余年、国を動かす政治家に黒い噂とはね・・・。
「噂が本物なら、ジークイルの所業もさほど罪とは言えませんよね?」
僕の言葉に、
「・・・お前、随分アイツを庇いたいみたいだな?」
部隊長の口元が、ニヤリと吊り上る。
「・・・そうですね。きっと・・・悪い人ではないと思うから」
仮にワイールが黒だとしても、鉄人さんが暗殺を企てたとは、とても思えない。
それに暗殺自体失敗している――彼も突然置かれた自分の状況に戸惑っている、といったところか。
僕だって、目が覚めたらいきなり警察に就職していたものだから、慌てて法律その他諸々を勉強したのだ。
「シドル部隊長、ジークイルが狙っていたのは、一体どういう人物なのですか?」
僕は勤務先のデスクで、上司に尋ねた。
彼は社会人らしからぬ態度――組んだ脚を机上に投げ出した状態で、こう返す。
「政治家ワイール・オッサー。裏で奴隷売買を生業にしているという噂がある」
奴隷売買は非合法――そもそも奴隷制度自体が廃止されて200余年、国を動かす政治家に黒い噂とはね・・・。
「噂が本物なら、ジークイルの所業もさほど罪とは言えませんよね?」
僕の言葉に、
「・・・お前、随分アイツを庇いたいみたいだな?」
部隊長の口元が、ニヤリと吊り上る。
「・・・そうですね。きっと・・・悪い人ではないと思うから」
仮にワイールが黒だとしても、鉄人さんが暗殺を企てたとは、とても思えない。
それに暗殺自体失敗している――彼も突然置かれた自分の状況に戸惑っている、といったところか。
僕だって、目が覚めたらいきなり警察に就職していたものだから、慌てて法律その他諸々を勉強したのだ。


