手に入れたいのはお前だけ。

こんなところに、気まずい空気のなかで、深高くんとふたりきりなんて。



……つらすぎる。



ほんとにあたしって、最悪だ……。



「あの……さっき変なこと聞いてごめんね……？」



深高くんが何も話さないもんだから、沈黙に耐えきれなくなったあたしはできる限り誠意をもって謝る。



「……いや、別に」



「体調が悪いのかなって心配だったの」



「大丈夫だよ。大したことない」



「大したことないって……」



体調が悪かったってことにかわりはないよね？