「ねえ、熱大丈夫だったの?」 授業がおわり、心配そうに美喜ちゃんがあたしの顔を覗き込む。 「あら、元気そうね」と付け足しながら。 「うん、実は全然平気なの」 完璧なシナリオを作った手前、その通りにせざるを得なくて。 授業の間じゅうずっとあたしは、なんだか体がだるいような、熱のあるフリをしていた。 「え、なに仮病?」 「あ……そうじゃないんだけど」 本当のことを言おうかどうか、一瞬迷った。 うーん、でも……。