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始業式を終えると担任は『三年生の心構え』なんてつまらない話を始めた。そんなの自覚している人は先生の話を聞くより大事な事に時間を使っているし、自覚を放棄した人は気もそぞろだろう。そんな現実が、教室内の空気をまったりとさせた。
担任の先生が教室を出ると、女子高生達はいつものように教室の後ろで円を描きだした。
「えーー?!
志望校、今さら変えるの?
それって自殺行為だよ」
「だってさ、お父さんが照葉大だったら家から通えっ言うんだよ。
マジないよ。
独り暮らししたくって大学行くのに」
「でも、それで落ちたら浪人だよ。
滑り止めはどうするの?」
「受験科目だって変わってくるでしょ。
今からさ………
あれっ、莉栖花、帰るの?」
カバンを手に、女子高生の輪の横を通り抜けようとした私を、1人の女子高生が気づいて、呼び止めた。一斉にこちらに向けられた何対かの瞳は、不気味な色をしている。
「あー、うん。
わたし、今日からチャリ通なんだ。
じゃ、お先」
私のあっさりした返答に、驚いたような表情を浮かばせ、何人かは「じゃあね」「またね」と挨拶した。けれども、そのほとんどが冷たい視線を送っている。そのことに気づかないでいられるほど鈍感なら、もう少し生きやすいだろうに、と思わずにいられない。
始業式を終えると担任は『三年生の心構え』なんてつまらない話を始めた。そんなの自覚している人は先生の話を聞くより大事な事に時間を使っているし、自覚を放棄した人は気もそぞろだろう。そんな現実が、教室内の空気をまったりとさせた。
担任の先生が教室を出ると、女子高生達はいつものように教室の後ろで円を描きだした。
「えーー?!
志望校、今さら変えるの?
それって自殺行為だよ」
「だってさ、お父さんが照葉大だったら家から通えっ言うんだよ。
マジないよ。
独り暮らししたくって大学行くのに」
「でも、それで落ちたら浪人だよ。
滑り止めはどうするの?」
「受験科目だって変わってくるでしょ。
今からさ………
あれっ、莉栖花、帰るの?」
カバンを手に、女子高生の輪の横を通り抜けようとした私を、1人の女子高生が気づいて、呼び止めた。一斉にこちらに向けられた何対かの瞳は、不気味な色をしている。
「あー、うん。
わたし、今日からチャリ通なんだ。
じゃ、お先」
私のあっさりした返答に、驚いたような表情を浮かばせ、何人かは「じゃあね」「またね」と挨拶した。けれども、そのほとんどが冷たい視線を送っている。そのことに気づかないでいられるほど鈍感なら、もう少し生きやすいだろうに、と思わずにいられない。
