カリス姫の夏

*****

それはそれは長い夜だった。


北海道から帰宅した私はベッドになだれ込むなり、死んだように寝続けた。夢さえ見ずに睡眠を貪っていた私が目覚めたのは、夜の8時。朝食か夕食か判別のつかない食事を取りシャワーを浴びると、他にすることもみつからない私は日本人の平均就寝時間を過ぎて布団に入った。しかし、睡魔は全く私をおそわない。


熱帯夜との戦闘はとっくの昔に放棄して、文明の利器(エアコン)に頼る軟弱な私だったが、不眠に関しては頼れる相手が見つからなかった。


結果、布団の中で自分自身との格闘が続くばかりだった。戦いは、私のギブアップ宣言で終止符が打たれた。


敗者はベッドからはい出し、パソコンと対峙(たいじ)していた。


もう、一度だけ。
最後にもう一度だけ、と自分に言い聞かせて。

これで開けなかったら、もう二度と『ナイトの国』には行かない。


呪文のように何度も唱え、私はマウスを動かした。