え…
と思って下を向いていた顔を
上にあげる。
そこには…
「あ…」
朝、駅でぶつかった男の子だった。
「隣の子、どうしたわけ?」
「あ、ちょっと先輩をみたら
1人の世界に入っちゃって…」
「なんだそれっ」
そういいながら笑う男の子。
あ、笑顔も素敵…
そう、素直に思った。
「なんか大変そうだけど…」
「あ、大丈夫、です。
もう、慣れましたから」
「そう?…ならいいけど」
もしかして、気遣ってくれてるの?
あたしたち、
お互い名前も知らないのに…。
ありがとうございます、
と軽く頭を下げると
男の子は笑って友達のもとに
また戻っていった。
「…ちょっと百華」
「あ~、かっこいいよ~」
「…っ百華」
「ね、舞もそう思うよねっ?」
「百華!」
あたしが少し大きな声を出すと
百華とやっと目があった。

