孤島の鬼

昔をなつかしむことにあきてきた頃には、げふんげふんも止まり、なんだか幸せな気分に包まれた。

顔をあげ、首をぐるっとやると、窓の外の5月の新緑の緑がいつもよりも輝いて見える。

この緑が永遠に続くことなく、やがて枯れるのだとぼんやりと思った。

枯れて落ちてまた、はじまる。そのループが頭の中で高速回転しだして、笑いが止まらなくなった。