白銀のヴィーナス



脇道から飛び出してきた数台のバイクを寸前のところで交わし、スピードを緩めることなく真っ直ぐ突き進む。


だが、それは想定済みだったらしく、次の脇道から新たな追っ手が飛び出してきた。


さっきもそうだったけど、まるで私の行き先を知っているかのように姿を見せる敵サン達。


これは一体どういうことなんだろうか。




何故奴等は私の行き先を知っている?


何の目的があって私を襲ってきた?



いや、目的は分かっているか。


問題は“そこ”じゃない。


何故この手段を取ろうと思ったのかってことだ。


私を潰したいのなら、こんな目立つ場所で大掛かりなことをする必要なんてないはず。


ただ他の者達と同じように一人の所を待ち伏せし、潰せばいいだけ。



それなのに、何故……?



まぁ、私が一人の時って大体バイク乗ってる時しかないっていうのもあるんだろうけど。





この襲撃は奴等にとって一か八かの賭けだったに違いない。


派手に追い掛け回せばBDに連絡が行くということも見当ついていただろうし。


それでも決行したのは連絡が行くまでに仕留められるとでも思ったから?



何にせよ、この襲撃は奴等にとって何か“意味”があるのだろう。


けど、その“意味”を考えるのは今じゃない。


今はこの子を連れて“城”に戻ることが先決だ。