白銀のヴィーナス



「そ。スマートフォン」



数メートル先に転がっているスマートフォンを手に取って、慣れた手付きで操作する。


表示されたのは目的の画像。



「ま、この画像は消すけどね」



そう言って女の子に見せたのはさっき撮られたツーショットの写真。


それを見て、女の子が「あ」と声を上げた。


やっと写真の存在を思い出したらしい。



「写真は消したけど顔は見られてる。だから……」



と、そこまで言った時だった。


微かに聞こえてきたのはバイクのエンジンの音。






敵!?それとも綺人達!?



「なぁ!さっき電話の男なんて言ってた!?」



スマートフォンを投げ捨てて、女の子に詰め寄る。



「え?電話?……あ、今から向かうって……」



今から向かう。


そうだとしても着くのが早すぎる。



「来て」

「え?」

「早く!!」


動揺している女の子の腕を無理矢理引っ張って、バイクの所まで連れて行く。


そうこうしてる内にもバイクのエンジン音は大きくなっていて。


公園内に響き渡る爆音が一台や二台じゃないことを物語っていた。