白銀のヴィーナス



「まぁ、あの連中からはそう簡単にトップは取れねぇだろうな」


クツクツと愉しげに笑みを零したのは聖で、その隣にいる冬威も航太もまた聖と同様に愉快げに笑っていた。


一番端にいる無口な櫂も無表情で頷いている。



そんな中、



「なぁなぁ!アイツ等と俺等、どっちが強ぇと思う!?」



輝一だけがキラキラと目を輝かせて興奮していた。




輝一はこの中で一番の喧嘩好き。

突っ掛かってくる奴は善悪構わず相手にする。


まぁ、悪人しか輝一に手を出そうとする者はいないだろうけど。




「さぁ、どうだろうな。やってみねぇと分かんねぇな」



輝一の問いかけに対してそう返事したのは冬威だった。


余裕綽々なその表情は言葉に反していて、明らかに感情が高ぶっているのが分かる。



……ヤバイね。これ以上此処にいるとニ人の闘争心に火がつきそうだ。



「輝一、冬威。私達が彼等と戦う事はないって分かってるでしょ?」

「まぁ」

「私達が潰すのは“悪”だけ」



そう。

私達の相手は“悪”だけ。



レイプに恐喝、窃盗、暴行、傷害、詐欺。


それを平気な顔でやってのける悪人共。


ソイツ等を潰すのが私達“掃除屋”、lien(リアン)の役目。



「BDが“悪”じゃなくてホント良かったよ」



──切実に、そう思う。