白銀のヴィーナス







………は?



満面の笑みでそう応える女の子に思わず出てしまった間抜けな声。



え、今この子なんて言った?



「……空手の黒帯?」


って言ったよね?



「はいっ!」

「………」



どうやら聞き間違いじゃなかったらしい。



「空手の黒帯……」



嘘だろ?この可愛いらしい女の子が?


私みたいな男女なら未だしも、こんなふわふわ女子が空手の黒帯って……。


ビックリしすぎて何も言えないんですけど。



「と、とにかく、危ないことはするな」

「……はい」

「って、俺が偉そうに言えないよな。巻き込んでごめん」



どこからどう見ても一般人の女の子。


空手をやってたとしても実践なんかしたことないだろうし、ましてや相手は不良と呼ばれる男達。


立ち向かっていくなんて余程の度胸がなければ出来ないはず。


見た目によらず凄いんだな。この子。



「い、いえいえ!謝るのはあたしの方です。あたしが声掛けたからバレちゃったんですよね?ごめんなさい」

「……あー、大丈夫。……でもないか」

「え?」



意味深に笑った私を見て、きょとんとする女の子。


そんな女の子にアレ、と左方を指差した。



「アレって……スマートフォン?」