「逃げたと思ったらまさかのお楽しみ中?やるねぇ」
「あらまホントだ。もしかして後ろの女、お前のコレ?」
「ちが───」
厭らしく小指を立てて見せた男達がニヤニヤと薄気味悪い笑顔を浮かべながら私と女の子を交互に見据える。
その何か企んでいそうな笑顔に嫌な予感がした。
その時、一人の男がポケットに手を突っ込むのが見えて、
“ヤバイ”
直感的にそう思った。
だが、そう思った時には既に遅く。
「オイ、スクープだ。写真撮っとけ」
男の言葉と共にスマートフォンのカメラが私達に向けられる。
「……っ、止めろっ!!」
───カシャ。
手を伸ばすよりも先に降り注いだカメラのフラッシュ。
暗闇で照らされたその眩しい光に反射的に片目を瞑った。
その光は一度だけじゃなく、何度も何度も私達を照らす。
「テメェ、今すぐ消せや!!」
「ハッ。誰が消すかよ」
スマートフォンを奪おうと再度手を伸ばすが、まるで嘲笑うかのように頭上高く掲げた男。
どうやっても手が届かないそれに焦りばかりが増長されていく。
「……っ」
もう少し背が高ければ奪えるのに。
女の中では高い方だけど、男の中に入れば私なんて華奢な優男でしかない。
……けど。
そんなもの男を上回る力を持っていれば何の問題も無いけどね。


