白銀のヴィーナス



「こんな所で何してるんですか?」


公園のフェンス越しに屈託のない笑顔でそう問い掛けてくる女の子。


そんなのこっちが聞きたい。



「アンタこそなんで……」

「あたしは塾の帰りなんです」



ホラ、と女の子が指差したのは横断歩道を渡っている男女五人組。


此方に手を振っている所を見るとどうやら友達らしい。



ってそんなのどうでも良くて!



「ごめん。今アンタと話してる暇ない。危ないから此処から逃げて」

「え!?」

「早く!!」



綺人に電話していた事なんてすっかり忘れていた私はこの場から女の子を遠ざけようと声を張り上げた。


それがいけなかった。




「あの、一体どうし──」



「見ぃーつけた」



私とした事がこんな失態を犯すなんて。





「……チッ」



公衆トイレの脇から姿を現したのは数人の男達。


まさかこんなにも早く見つかるなんて。


最悪だ。