白銀のヴィーナス


幸いなことに、目的地である公園はこの地域で一番広大な敷地を持つ有名な公園で、聖達がいる駐輪場はその公園の右端にあった。


私がいるのはその右端に近い場所。


という事は、上手い事すればこの状況を伝えることが出来るかもしれない。



これだけの追っ手がいるんだ。

聖達ならバイクのエンジン音に気付いて様子を見に来るはず。



よし。決まりだ。この手でいこう。




やっと決まった答えに小さく頷いた私は、駐輪場がある公園の出入り口へと急いだ。


聖達と待ち合わせしている駐輪場はこの場所から見てちょうど反対側にあり、出入り口は数箇所ある。


わざわざ駐輪場に近い出入り口へ向かうのは少し不自然だけど仕方ない。


聖達に伝える為にはこうするしか他に道はないから。






「残念。こっちに曲がりますよーっと」


追い詰めましたと言わんばかりに前方から迫り来る敵サン達にそう告げて、指示器を出さずに右折する。


すると、途端に狭まった道幅。


ここが聖達と待ち合わせした駐輪場へと続く遊歩道の出入り口だった。


バイク二台並んで走行出来るかどうかという狭い道は私にとってはものすごく好都合で。


生い茂る木々たちが私の行方を上手く隠してくれる。