となると、奴等を振り切るしか道はない。
そう決めたものの、それが容易ではないことは自分が一番分かっていた。
まるで私の行き先を知っているかのように現れる追っ手は進む度増えていき、いくつもの光が後方から私をまばゆく照らす。
それは、傍から見れば異様な光景にしか見えないだろう。
これだけ目立ってるんだ。BDの誰かが目撃していてもおかしくない。
けれど、問題は狙われているのが私だと気付く人間がいるかどうかだ。
いくら見られていると言っても私だと気付かなければ意味がない。
どうする?どうすればいい?
考えている内に聖達と待ち合わせしている公園はすぐ目の前に迫って来ていた。
このまま行けば聖達と鉢合わせしてしまう。
それだけは避けなければ。
視界に入ってきた公園の木々に焦りばかりが募っていき、なかなか答えが定まらない。
「───あ」
その時だった。
ある“考え”が脳裏に閃いたのは。
……そうか。
鉢合わせしなければいいんだ。


