白銀のヴィーナス



「フッ。分かった」

「ちゃんと言っておいてよ」



珍しく笑みを零した綺人にそう念を押せば。


「……お前、ホント面倒臭がりなんだな」


士騎が呆れたように溜め息をついた。



「今更だろ」

「まぁ」



この一週間で私の性格を大体把握したらしい幹部達。


クールキャラという所は綺人と被っているけど、綺人はただ感情を表に出さないだけで基本優しい。


一方私はと言うと、クールというか冷めていて、言いたいことはハッキリと言う。

言わば毒舌キャラ。

そして、極度の面倒臭がり。



まぁ当たってはいるけど、言葉にしたらなんか嫌な奴だよね、私って。


まぁ良いけどさ。ホントのことだし。






「明日が愉しみだな」





幹部達との初会合に心躍らせれていた私は、まさかこの後、本当に襲撃されることになるとは微塵も思っていなかった。



後から思えば、この時にはもう既に私は敵の罠に嵌っていたのだと思う。