強い者だけが入ることが出来る“黒神の城”。
勝者の住処と言われるその城は、外部の人間だけではなく、傘下である“風神”“雷神”のメンバー達にとっても憧れの場所だった。
その城に突然幹部入りした私。
それは余程の実力者でなければ有り得ないことだと後に蒼介に言われた。
だが、内部の人間には喜ばしき事でも他チームの人間にとったら煩わしい存在でしかない。
故に、他チームの人間には排除すべき者だとみなされてしまった。
だから、BDの中でもっとも襲撃を警戒するべき人間は私、“レイ”という訳なのだ。
「明日、風神雷神の幹部達が来る」
「……永瀬達が?」
綺人の一言に眉を引き寄せる幹部達。
士騎はそれを知っていたのか、表情に変化は見られない。
「現状報告とそれの対処法を決める」
……あぁ、なるほど。そろそろ電話じゃ対処しきれなくなってきたって訳ね。
「それと、レイに会いたいらしい」
「………俺に?」
なんでまた。
「傘下と言えど、奴等も“幹部”を名乗る人間。自分より“上”の者が突然入ってきたんだ。どんな奴なのか直接見てみたいと思ったんだろ」
あぁ、そういうことね。
「いいけど喧嘩すんのはナシね。面倒臭いから」
蒼介の時は一人だったからまだ良かったけど、幹部全員なんて疲れるし面倒臭いから絶対に嫌だ。


