「じゃあまた夜、此処でな」

「分かった。出る時連絡する」



輝一と向かったのはBDと綺羅が喧嘩した例の公園だった。


バイクで通学している私達は学校のすぐ近くにあるこの公園にバイクを置き、学校まで歩いて行っている。

流石に学校へは乗って行けないから。



BDの幹部になった私は家に帰らずそのまま黒神の城へ行く為、公園のトイレで着替えを済ませた。


モチロン着替えだけじゃない。

メイクを落とし、ウィッグも外した。



今の私は完璧に“男”にしか見えないだろう。



っていうか、この姿が本来の私なんだけどね。


BDに入る前と違うのはロングだった黒髪を切ってショートにしたことぐらいだ。


別にウィッグを被っても良かったんだけど、もし彼等の前でウィッグが取れたりでもしたら全てがパァになる。だから、バッサリと切ってやった。


弱点となるものは全て排除する。


もしバレれば、彼等が“敵”に回るかもしれない。


そんな事になったりしたら“あの人”に会えなくなる。


それだけは避けなければいけない。



私の目的はただ一つ。


“あの人”を見つけること。


その為には女だとバレてはいけない。