「そんなの自覚してるし」
今の私の姿。
それはもしかしたら輝一より違和感があるかもしれない。
緩やかにカーブしている茶髪のミディアムボブ。
厚化粧とまではいかないけれど、細部までキッチリと施された最新のギャルメイク。
制服は程よく着崩してあり、控えめだがアクセサリーもつけている。
どれもこれも私には興味ないものばかり。
だけど、学校へ通う私には全て必要なものだ。
「反吐が出る」
面倒臭いけれど、こうしなければもっと面倒臭いことになるという事を中学生の時思い知った。
中学生の時、私はありのままの姿で学校に通っていた。
黒髪ロングのスッピン。
服装は着崩していたけれど、それでもやっぱり浮いていたのだろう。
クラスメイトのみならず、他クラスの女子からも陰口を言われた。
まぁ、見た目よりもこの冷めた性格の方が問題があったんだと思うけど。
干渉されるのが嫌い。
相手するのも面倒臭い。
だから、高校に入って“ギャル”になった。
不良校に黒髪なんて目立って仕方ないし、この姿なら上手く溶け込めると思ったからそうしたまでだ。
私立にでも入れればこんな面倒なことしなくて済んだんだけど、頭の悪い私がそんな学校へ行ける訳がなく。
仕方なく馬鹿な輝一と一緒に不良校に入学したって訳。
ちなみに他のLienメンバーはみんな頭が良い為、私立の有名校に仲良く通っている。