白銀のヴィーナス



聖と一華は一ヶ月前にようやく引っ付いたバカップルで、二人共私の幼馴染みだ。

そして、他の三人も。



小さい頃からずっと一緒にいる私達は、高校生になった今でも四六時中一緒にいて馬鹿をやっている。


だから、恋心が芽生えるのは必然と言ってもいいと思う。



「彩未、聖くん懲らしめてやって!」

「何言ってんの。逆に私がやられるよ」



──でも、まさか同じ人を好きになるなんて、ね。






私は、聖が好き。

いや、正確に言うと好き“だった”。


過去形にしたのは、今、聖と付き合っているのは一華だから。


だから、私の中に宿るこの想いは聖にも一華にも──ううん、誰にも知られちゃいけない。


みんなに知られる前に早くこの想いを消さなきゃいけないんだ。


その為には今すぐ聖から離れなきゃ。




「一華、喧嘩ばかりしちゃ駄目だよ」



キリッと痛む胸を服越しに強く握り締めて、淡い感情に無理矢理蓋をする。


帰ってきた時にはきっと良い思い出になってる。


──そう、信じてる。