「二人共総長の器があったから迷うのはしょうがなかったんだけどさ。でも、アイツ馬鹿すぎて馬鹿すぎて一向に決まらなくて。終いには、投げやりになって次期総長を下の奴等に決めて貰うって言い出したんだよ」
「……はぁ」
オイオイ、前総長をアイツ呼ばわりしちゃったよ。
しかも馬鹿って二回も言ってるし。
頼さん、顔に似合わず毒舌なんですね。
「で、下の奴等に投票して貰った結果ちょうど半々で決まらなくて。しょうがないからじゃんけんで決めたんだ」
「……は?じゃんけん?」
今、じゃんけんって言った?
「うん、じゃんけん」
………どうやら聞き間違いじゃなかったらしい。
っていうか、チームのトップを決めるのにじゃんけんで決める馬鹿がどこにいるのよ。
馬鹿だ馬鹿。正真正銘の大馬鹿だ。
「あははははは。レンくんドン引きしてる」
「………」
そりゃドン引きするでしょうよ。
私じゃなくてもドン引きするっつーの。
……はぁ。私、やっぱ入るチーム間違ったかもしれない。
他人事みたいに笑う頼さんを見てBDに入った事を本気で後悔した。