「伝説の女神……いや、その人は黒神の女神だった」

「黒神の女神?」

「そうだ。簡単に言えば総長の女」

「………あぁ」



なるほど。それで黒神の女神って訳ね。



「歴代総長には必ずと言っていい程“女神”がいた。けれど、“伝説の女神”と呼ばれた人は一人だけだった」


「………」


「理由は簡単。その人が“総長”をも凌ぐ力を持っていたから」


「……総長をも凌ぐ力?」


「そうだ。今でも“伝説の女神”を越える総長はいないと言われている」


「そんなに強ぇの?」


「まぁ、実際に見てないから分からないが、歴代最強と謳われた三代目幹部達が口を揃えて言ってるからな」


「……ふーん」



歴代最強と呼ばれた男達のお墨付きって訳ね。




──“伝説”と呼ばれた女性。


同性なだけに興味が湧く。


けれど。



「さっきの言葉はそういう事か」



今の“私”には関係のない話だ。