「──強い女なんていくらでもいる」

「………っ」

「そんな事、“俺達”が一番知ってる」



俺達が……一番知ってる?



抑揚のない声色でそう言ったのは士騎の隣に座っている黒髪の男だった。


表情を一切変えずに喋る所や身に纏う異質な空気。

じっくり見れば外見も聖に似ている気がした。



「……どういう意味?」


訝しげにそう問い掛ければ、無表情のまま口を開く男。



「BDのチーム名知ってるだろ」



……チーム名?



「Black Deity?」

「そう。Black Deity。その名の意味は“黒神”」

「……黒神」



まるでそれを知らなかったかのように反芻する自分に感心すら覚える。


けれど、此処での私は“無知”だということを彼等に植え付けなければならない。

だから、この返事が“正解”なんだ。



「そして、この溜まり場が“黒神の城”」

「……黒神の城」



そう。

此処は“黒神”が集う“黒神の城”。


それが………?



「この“黒神の城”に“伝説の女神”がいた」

「……伝説の女神?」



この情報は初めて知った。


まさか“黒神の城”に女がいたなんて。