白銀のヴィーナス


「じゃあ次はサキとユイね」


そう言った頼さんが私から視線を流し、正面を見た。

どうやらバトンタッチしたのは目の前にいる双子らしい。



「加賀 咲斗(カガ サキト)。高一」

「俺は加賀 唯斗(カガ ユイト)、高一。咲が弟で俺がお兄ちゃんです。よろしく!」



「……よろしく」

「はーい、よろしくー!」

「………」



どうやら、顔はソックリでも中身は全然違うらしい。

ビックリするぐらい性格が違うんですけど。


漫画とかでよくあるパターンである意味驚いた。




……えーっと?向かって左側が咲斗で、右側が唯斗ね。



咲斗と名乗った方は俗に言う無愛想な奴で。


ハニーブラウンの髪色にふわふわのパーマ(多分)。


その隣にいる唯斗も同じ髪色でふわふわなんだけど、咲斗との違いはヘアアレンジをしていることだろうか。


唯斗は前髪を上げてポンパドールにしている。

きっとオシャレさんなんだろう。



この二人の印象は正反対。

咲斗が無愛想で、唯斗が可愛い。



「サキはね、無愛想に見えるけど全然違うんだよ?恥ずかしがり屋さんなんだ。ホントはすっごく優しいんだよ!」

「ちょ……っ、ユイ何言ってんだよ!」



……いや、咲斗はまさかのツンデレさんだったらしい。