白銀のヴィーナス


「じゃあ、軽く自己紹介でもするか」


全員が腰を下ろしたのを見計らってそう告げたのはチャラ男。


チャラ男は私が座っている左ナナメ前のソファーに座っていて、その隣にはさっき私が握手した総長らしき男が座っていた。


二人が腰掛けているソファーは豪華な黒色の二人掛けソファーで、私が座っているソファーも全く同じデザインのもの。


違うのはチャラ男達が座っているものよりも少し大きめの四人掛けソファーだということだけだ。


そして、それと全く同じデザインのソファーは向かい側にも置いてあり、そのソファーには髪型や雰囲気は違うものの、顔の造りは全く同じの双子が座っている。




「じゃあ隣に座ってる事だし、俺から自己紹介しようかな」



一番手に名乗りを上げたのはこの中で一番まともそうな隣の爽やかイケメン男。



「名前は山川 和頼(ヤマカワ カズヨリ)。みんなからは頼って呼ばれてる。年齢は高三。よろしく」

「……どうも」



にっこりと微笑んだイケメンさんは和頼、いや、頼さんと言うらしい。


パッと見た特徴は焦げ茶色の短髪、……と言っても短すぎるわけでもなく、どちらかと言えば好青年と受け取れる爽やかな髪型をしていた。


くっきり二重のどんぐり目。

目尻にある泣きホクロが印象的な王道の王子様系の容姿だ。