白銀のヴィーナス




「そっちに座って」

「分かった」



幹部達に連れて来られたのは倉庫の二階にある幹部室。


二階には幹部室の他にあと二部屋あって、幹部室は階段を上がって一番奥にあった。




中に入ると、視界に映ったのは豪華なマンションかと思うほど豪華なインテリアの数々。


暴走族の溜まり場だから良くてもソファーがちょっと豪華なぐらいかなと思っていたんだけど、

まさかまさかの豪華マンション仕様だったなんて驚きだ。


しかも土禁。


まぁ、マンション仕様だから当然と言えば当然なんだけど。


っていうか、あそこに見えるのはキッチン?

まさかお風呂までないよね?



「どこか気になる所でもある?」

「え、あ、いや……」



控えめに見ていたつもりだったんだけどどうやらバレバレだったようで。


チラリ、横目で声掛けてきた男を見れば、隣にいたのはチャラ男と一緒に追い掛けてきた短髪の爽やかイケメン男だった。



「聞きたいことがあったら遠慮なくなんでも言ってね」

「……はぁ」


あの時はにこやか過ぎる笑顔がコワイと思ったけど、よく見れば偽りなんて全くない外見通りの爽やかな笑顔。


……疑って悪かったかも。