白銀のヴィーナス


「いや、まぁ……うん。アンタ等の気持ちも分かるから。こっちこそ面倒臭いとか言ってごめん」


素直に謝られたらこっちも素直に謝るしかないよね。


っていうか、これから仲間になるんだし、どうせなら仲良くしていきたい。





「って、俺、幹部になれんの?」



念のため幹部に確認する。


まぁ、ここまで入念に計画されているんだから今更無理ですってことはないと思うけど。



「あぁ、BD全員お前が幹部になることを認めた」


「……そ。じゃあこれからよろしく」



ホッと一息ついて、「ん」と総長らしき男に右手を差し出すと、男は一瞬目を見開いた後、ニッと口角を上げて私の握手を受け入れた。




「──今日から俺達は仲間だ」



まるで誓いの言葉のように告げられたその言葉に私の心が歓喜に打ち震える。



……第一段階突破成功、っと。






目的を果たす為に入った暴走族チーム、“Black Deity”。



今日から私は掃除屋Lienの“彩未”、


そして、Black Deityの幹部、“レイ”。



“男”と“女”という正反対の“二重生活”を始めることになる。









「──愉しくなりそうだ」