何だか先行きが不安になってきた。
私を睨み付けている下っ端くん達をぼんやりと見つめながらそんなことを思っていると、決闘を申し込んできた男が再度私に噛み付いてきた。
「お前がどれだけ強ぇか確認しねぇことには認めるわけにはいかねぇ」
「蒼介!!」
「うるせぇ!お前は黙ってろ!」
引き止める仲間を一喝し、険しい表情で私に詰め寄ってくる男。
すぐ目の前に迫ってきたかと思えば私の襟元を乱暴に掴んで引き寄せ、至近距離でガンを飛ばしてくる。
それでも私は表情を変えずに無言を貫いた。
「………」
「………」
私が無言になったことによって訪れた静寂。
ほぼ同じ目線のせいか、蒼介と呼ばれた男の視線が直で刺さる。
こうなってくると私の悪い癖が出てくるわけで。
「……はぁ。面倒くさ」
口から不満が零れ落ちた。
「テメェ……」
当然、目の前の男が黙っているわけがなく、掴まれた胸元が更にキツく締め付けられる。
それでも私の表情は変わらない。