白銀のヴィーナス



けれど、やっぱり物事はそんなに上手くいかないらしい。


「……悪ぃ。今立て込んでるのか電話繋がらねぇ」


チャラ男がすまなさそうに眉を顰めて謝ってくるのを見て、ハァ、と心の中で落胆の溜め息を吐き出す。



まぁ、ついさっきだからね、警察来たの。

大人数だし、逃げるのに必死だろうから仕方ないと言えば仕方ないか。



「あー……じゃあどうする?」


ここで自分からがっつくのはオカシイだろうから、あくまで興味なさげに対応。


そんな私の態度に、目を見合わせていた二人が同時に小さく頷いた。



「携帯の番号、教えてくんねぇ?」

「………」


おぉっと、そう来たか。



携帯の番号。

出来れば今持ってる携帯の番号は教えたくないんだよね。


聖達の番号とか入ってるし、当然連絡が来るのもこの携帯だから。


となると、BDの前で鳴る可能性があるってことで。


マナーやサイレントにするのもいいんだけれど、極力リスクは負いたくない。


……チッ。


こんなことだったら早めに買っておけば良かった。


BDに入ることが決まったら“BD用”にもう一つ携帯を買う予定だったんだけど、まさか視察に訪れた今日、BDから勧誘をされるなんてね。


とんだ誤算だ。