白銀のヴィーナス



「別に?仲悪いのか良いのか分かんないなと思って」


数メートル先に立ち止まったBD達を見て、またクスリと笑みが零れる。


「テメェ、喧嘩売ってんのか!!」


そんな私に、BDの敵である男達が一斉に牙を剥いた。




……ふーん。なるほど。


ギャーギャーと喚き散らす男達を見て思った。


どうやら私は“男”だと認識されているらしい。


だって、どこからどう見ても女に対する態度じゃないし。



うん。良かった。今日この格好にして。


後日変装してBDに近付こうと思ったけどその手間が省けた。


だって、今が一番“私”を印象付けるチャンスだから。



「売ってるよ?まぁ、女の子に手を出そうとする馬鹿にしか売らないけど」



だから、申し訳ないけど貴方達にはBDを釣る“餌”になって貰おうかな。



「あぁ?女だと?」

「そ。女の子」


私を見事にスルーする男達は、やっぱり私を女だと思っていないらしい。


まぁ、女の格好をしていても男に間違われるぐらいだから別に良いけど。



「女に手を出すなんて恥ずかしいと思わねぇの?」



彼等が私を男だと思ってるのならそれはそれで好都合。“それ”を使わない手はない。



「上の人間なら下っ端の教育ぐらいちゃんとしろよ」



──私は今から、“男”になる。