白銀のヴィーナス



「……ふぅ」


疲れた。


周囲に転がっている男達を見下ろしながら、小さく息を吐き出す。



………ん?


その時になってやっと気が付いた。


さっきまでの慌しさがないことに。






「──お前、何者だ?」


静寂の中、凛と響いたのは疑念を含んだ男の声。


声がした方へおもむろに振り向けば、そこにはBDの幹部達が揃っていて。

何故か意味深な笑みを浮かべながら私の方へと歩いてきていた。



「クスッ」



その姿を見て思わず笑みが零れた。



「……何がオカシイ?」



何がって?そんなの決まってるじゃない。


さっきまであんなに険しい顔で戦っていたくせに、今は仲良さげに並んで歩いてるんだもん。


笑うには充分な理由じゃない?




此方に歩いてくるBD幹部達のすぐ隣には知らない男達が五人いた。


恐らく、さっきBD幹部達と喧嘩していた相手チームの幹部だろう。


BD幹部達とは違い、私に向ける視線が鋭い。


まぁ、それは仕方のないか。

だって、私の周囲に転がっているのは彼等の仲間なんだから。


彼等からすれば、私は“敵”でしかない。