ガッと鈍い音が響き、男が吹っ飛ぶ。
「……っ、野郎……!!」
男が地面に転がるよりも先に聞こえてきたその叫び声に振り返れば、数人の男達が瞳に怒りを携えながら走ってきた。
「下がってて!!」
すぐ真後ろにいる女の子に向かって力一杯叫ぶ。
すると、女の子はビクッと肩を揺らした後、数歩後退した。
……チッ。バレたか。
視界の端に映ったのは、BD幹部達の振り返る姿。
私の叫び声で気付いたのだろう。
まぁ、いいか。
幸いなことに、今の私はTシャツにダメージジーンズ姿。
肩まである漆黒の髪はキャップの中に隠れている。
公園にある電灯ではよく見えないだろうから、女だという事はバレないはず。
───という事は?
「思う存分暴れても大丈夫だってことだ」
にやりと引き上がる口角。
次の瞬間。
「なっ……!?」
笑みを消し去った私は、向かってくる男達に向かって自分から仕掛けていった。
当然、そんな私を見て驚愕の声を上げる男達。
私が走り出したのとほぼ同時に足を止めたけれど、もう遅い。
「──大人しく、消えて?」
その言葉と共に私の体が再び宙を舞った。


